あなたも貰える!意外と手厚い公的制度

家庭の収入を支える人に、もしも不測の事態が起きたら貯蓄や保険に加入することでしか対応できないと思っていませんか?あなたにも公的制度による保障があるのです。各家庭によって、公的制度で保障される内容や金額が違うため、あなたがどれだけ保障されてるのか確認し、不足分のみを保険加入で補うことが保険料の節約につながります。

公的制度にも様々な保障がありますが、国民全員が保障される国民年金、自営業者等が保障される国民健康保険、会社員や公務員が保障される厚生年金健康保険、主に75歳以上の人が保障される後期高齢者医療制度について概要を説明していきます。

概要を説明した後は”生命保険の種類と特徴を確認しよう”の記事で説明した以下の保険に加入する目的ごとに公的制度について説明していきます。
死亡した時の保障
働けなくなることによる収入保障
病気やケガによる医療費
老後資金や教育資金の積み立て

国民年金

国民年金は「基礎年金」とも呼ばれており、20歳以上60歳未満の国民全員が必ず加入することになっている年金です。国民年金の保険料は定額であり、2019年度は月額16,410円となっています。

国民年金は自営業者などは1号被保険者、厚生年金に加入している会社員や公務員などは2号被保険者、厚生年金保険に加入している被保険者の配偶者は第3号被保険者となります。

国民年金では主に、老後の生活を保障する「老齢基礎年金」、一定の障害の状態になった場合に保障する「障害基礎年金」、死亡した時に遺族の生活を保障する「遺族基礎年金」があります。

厚生年金

厚生年金は、国民年金に上乗せされて給付される年金です。対象者は会社員や公務員などになります。国民年金と厚生年金の合計金額を受給するため、自営業者などより手厚い保障となります。

厚生年金の保険料は、毎年4月~6月に支払われる給与をベースに計算した標準報酬月額、賞与をベースに計算した標準賞与額それぞれ保険料率を乗じたとなります。その保険料を事業主と被保険者で折半することになります。

厚生年金では主に、老後の生活を保障する「老齢厚生年金」、一定の障害の状態になった場合に保障する「障害厚生年金」、死亡した時に遺族の生活を保障する「遺族厚生年金」があります

国民健康保険

国民健康保険は、加入者が病院にかかる時に3割を超える部分を保障してくれる保険です。他にも高額療養費(1か月の医療費上限額)、出産育児一時金(42万円の給付)、葬祭費(1万円~7万円程度)、入院時食事療養費移送費などの保障があります。

傷病手当金や出産手当金は任意給付であり、実施しているのは一部の国保組合に限られています。詳細については、運営自治体により異なるため確認しましょう。

会社の健康保険などに加入している方や、生活保護を受けている方以外は、国民健康保険に加入することになります。

健康保険

健康保険は、国民健康保険と同様に加入者が病院にかかる時に3割を超える部分を保障してくれる会社に勤める従業員や事業者の方が加入する保険です。船員保険や共済組合とあわせて「被用者健康保険」と呼ばれます。

あなたの健康保険証の番号を見てください。保険者番号は被用者健康保険の場合は8ケタの数字で、最初の2つの数字で加入している健康保険の種類が分かります。

  • 「01」:協会けんぽ
  • 「02」:協会けんぽ(船員保険)
  • 「06」:組合健保
  • 「31」:国家公務員共済組合
  • 「32」:地方公務員共済組合
  • 「33」:地方公務員共済組合(警察共済組合)
  • 「34」:地方公務員共済組合(公立学校共済組合)など

被用者健康保険では、傷病手当金(病気やケガで休業した時)、高額療養費(1か月の医療費上限額)、出産手当金(産前産後に休業した時)、出産育児一時金(42万円の給付)、埋葬料(5万円の給付)、入院時食事療養費移送費などが給付されます。

さらに付加給付金(一部の健保組合で保障している高額療養費に対する補助)、そのほかにも出産育児一時金や埋葬料が増額給付されることもあります。

また、事業主と被保険者の負担割合を独自に定められるため被保険者の保険料の負担を少なくすることもできます。さらに予防接種代を負担するなどの保険事業を行っています。

これらはそれぞれの被用者健康保険組合の規約によって異なります。詳しくはあなたが加入している健康保険の規約を確認してください。

後期高齢者医療制度

後期高齢者医療制度は、主に75歳以上の方(75歳の誕生日当日から資格取得)が加入する保険です。

被用者健康保険や国保と大きく異なるのは、医療費の負担が3割ではなく1割負担(現役並みの収入がある人は3割負担)になることや高額療養費(1か月の医療費上限額)が低額になることです。

他にも葬祭費(1万円~7万円程度)、入院時食事療養費移送費などの給付があります。都道府県によって保険料が異なります。

保険の加入目的ごとに公的制度の保障内容を確認しましょう

ここまで公的制度の概要について確認してきましたが、ここからは”生命保険の種類と特徴を確認しよう”の記事で説明した以下の保険の加入目的ごとに公的制度の保障内容を確認していきましょう。
死亡した時の保障
働けなくなることによる収入保障
病気やケガによる医療費
老後資金や教育資金の積み立て

死亡した時の保障

死亡した時の公的制度による保障には、国民年金による「遺族基礎年金」、厚生年金による「遺族厚生年金」があります。それぞれ支給条件を確認しましょう。なお、遺族年金は非課税です。

遺族基礎年金

支給要件
①被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。
②その際に、死亡した者の保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が加入期間の3分の2以上あること。
③ただし2026年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ支給される。

対象者
死亡した者によって生計を維持されていた
①子のある配偶者
②子
※子とは次の者に限る。
・18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
・20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

生計維持
「生計を維持されている」とは、原則として次の要件を満たす場合をいいます。
①同居していること(別居でも仕送りや健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められます)
②加給年金額等対象者について、前年の収入が850万円未満であること。または所得が655万5千円未満であること。

年金額(2019年4月分から)
780,100円+子の加算
子の加算:第1子・第2子(224,500円)、第3子以降(74,800円)
※対象者②子が遺族基礎年金を受給する場合は第1子の子の加算はありません。

遺族厚生年金

支給要件
①被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。
②その際に、遺族基礎年金と同様、死亡した者の保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。
③ただし平成38年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ支給される。
④老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。
⑤1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき。

対象者
死亡した者によって生計を維持(遺族基礎年金参照)されていた
①妻
②子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)
③55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる。)
※30歳未満の子のない妻は、5年間の有期給付。
※子のある配偶者、子(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)は、遺族基礎年金も併せて受けられる。

年金額(2019年4月分から)
計算式が複雑なため、おおよその年金額を確認する方法を紹介します。
毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」に、50歳未満の人は今までの加入に応じた老齢厚生年金額、50歳以上の人は受け取る老齢厚生年金の見込み額が記載されています。

具体的には、50歳未満の人は「これまでの加入実績に応じた老齢厚生年金額」、50歳以上の人は「老齢年金の種類と見込み額の老齢厚生年金額」を確認しましょう。
次に「これまでの年金加入期間」の厚生年金保険欄で加入月数を確認しましょう。300か月以上の人は加入月数、300か月未満の人は300か月で計算します。

計算式
(報酬比例の年金額)×3/4
①50歳未満で加入月数300か月未満:「これまでの加入実績に応じた老齢厚生年金額」/加入月数×300か月×3/4
②50歳未満で加入月数300か月以上:「これまでの加入実績に応じた老齢厚生年金額」×3/4
③50歳以上で加入予定月数300か月未満:「老齢年金の種類と見込み額の老齢厚生年金額」/(加入月数+60歳までの残り加入月数)×300か月×3/4
④50歳以上で加入月数300か月以上:「老齢年金の種類と見込み額の老齢厚生年金額」×3/4(60歳で死亡した場合の遺族厚生年金になる)
詳細な年金額を確認したい場合は日本年金機構のHPをご確認ください。

中高齢の加算
夫が死亡した時、子どものいない(もしくは子どもが18歳になった)40歳から65歳未満の妻には585,100円(年額)が加算されます。

働けなくなることによる収入保障

働けなくなった時の公的制度による保障には、健康保険による「傷病手当金」、国民年金による「障害基礎年金」、厚生年金による「障害厚生年金」があります。それぞれ支給条件を確認しましょう。

なお、障害年金の障害等級は、障害者手帳の障害等級とは異なるものです。また、障害年金は非課税です。

傷病手当金

支給要件
傷病手当金は、次の①から④の条件をすべて満たしたときに支給されます。

①業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
②仕事に就くことができないこと
③連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
④休業した期間について給与の支払いがないこと

支給額
支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額/30×2/3

支給期間
傷病手当金が支給される期間は、支給開始した日から最長1年6ヵ月です。これは、1年6ヵ月分支給されるということではなく、1年6ヵ月の間に仕事に復帰した期間があり、その後再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合でも、復帰期間も1年6ヵ月に算入されます。支給開始後1年6ヵ月を超えた場合は、仕事に就くことができない場合であっても、傷病手当金は支給されません。

障害基礎年金

支給要件
①国民年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(これを「初診日」といいます。)があること ※20歳前や、60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間)で、日本国内に住んでいる間に初診日があるときも含む。
②一定の障害の状態にあること
③初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていること。ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。
・初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
・初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

支給開始日
障害等級1級または2級の状態にあるときに障害認定日の翌月またはその後症状が悪化し1級または2級の障害の状態になったときには請求日の翌月

障害認定日
初診日から1年6ヶ月を経過した日(その間に治った場合は治った日)または20歳に達した日に障害の状態にあるか、または65歳に達する日の前日までの間に障害の状態となった場合。
※治った日とは障害が固定した日のこと

年金額
【1級】780,100円×1.25+子の加算
【2級】780,100円+子の加算
子の加算:第1子・第2子(224,500円)、第3子以降(74,800円)
※子とは次の者に限る。
・18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
・20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

障害厚生年金

支給要件
①厚生年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(これを「初診日」といいます。)があること
②一定の障害の状態にあること
③初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていること。
・初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
・初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

支給開始日
障害等級1級、2級または3級の状態にあるときに障害認定日の翌月またはその後症状が悪化し、1級、2級または3級の障害の状態になったときには請求日の翌月

障害認定日
初診日から1年6ヶ月を経過した日(その間に治った場合は治った日)または20歳に達した日に障害の状態にあるか、または65歳に達する日の前日までの間に障害の状態となった場合。
※治った日とは障害が固定した日のこと

年金額
【1級】(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(224,500円)〕※
【2級】(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(224,500円)〕※
【3級】(報酬比例の年金額) 最低保障額 585,100円
※その方に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに加算される。
報酬比例の年金額のおおよその金額確認方法は、遺族厚生年金と同様です。

病気やケガによる医療費

病気やケガによる医療費の保障には、健康保険による「傷病手当金」、国民健康保険、健康保険、後期高齢者医療制度による「高額療養費」などがあります。それぞれ内容を確認していきましょう。

傷病手当金

働けなくなることによる収入保障の傷病手当金と同様です。

高額療養費

どの健康保険に加入していても、健康保険料を支払う代わりに医療費の3割を負担することで治療を受けることができます。ただし、3割負担といっても医療費が100万円かかった場合も30万円を支払うわけではありません。高額療養費という制度により、1か月に支払った医療費が上限額を超えた場合は請求すると戻ってきます。入院だけでなく通院でも保険診療であれば、高額療養費の対象となります。

高額療養費の対象外の医療費は、保険適用外の診療、入院時の食事代、居住費、日用品代、差額ベッド代、正常分娩での出産、先進医療費などです。

高額療養費の限度額については、下記の表を確認ください。

70歳未満

所得区分自己負担限度額直近12ヵ月間で4月目以降
年収約1,160万~
健保:標準報酬月額83万以上
国保:年間所得901万超
252,600円+(医療費-842,000円)×1%140,100円
年収約770万~1,160万
健保:標準報酬月額53万~79万
国保:年間所得600万~901万
167,400円+(医療費-558,000円)×1%93,000円
年収約370万~770万
健保:標準報酬月額28万~50万
国保:年間所得210万~600万
80,100円+(医療費-267,000円)×1%44,400円
~年収約370万
健保:標準報酬月額26万以下
国保:年間所得210万以下
57,600円44,400円
住民税非課税35,400円24,600円

70歳以上75歳未満

所得区分自己負担限度額
外来(個人ごと)
自己負担限度額
入院(世帯ごと)
直近12ヵ月間で4月目以降
現役並み年収約1,160万~
健保:標準報酬月額83万以上
国保:年間所得690万超
252,600円+(医療費-842,000円)×1%140,100円
年収約770万~1,160万
健保:標準報酬月額53万~79万
国保:年間所得380万~690万
167,400円+(医療費-558,000円)×1%93,000円
年収約370万~770万
健保:標準報酬月額28万~50万
国保:年間所得145万~380万
80,100円+(医療費-267,000円)×1%44,400円
一般年収156万~約370万
健保:標準報酬月額26万以下
国保:年間所得145万未満
18,000円
(年144,000円)
57,600円44,400円
低所得住民税非課税世帯8,000円24,600円24,600円
住民税非課税世帯
(年金収入80万以下など)
8,000円15,00015,000円

75歳以上(後期高齢者医療制度)

所得区分自己負担限度額
外来(個人ごと)
自己負担限度額
入院(世帯ごと)
直近12ヵ月間で4月目以降
現役並み年間所得690万超252,600円+(医療費-842,000円)×1%140,100円
年間所得380万~690万167,400円+(医療費-558,000円)×1%93,000円
年間所得145万~380万80,100円+(医療費-267,000円)×1%44,400円
一般年間所得145万未満18,000円
(年144,000円)
57,600円44,400円
低所得住民税非課税世帯8,000円24,600円24,600円
住民税非課税世帯
(年金収入80万以下など)
8,000円15,00015,000円

老後資金や教育資金の積み立て

老後資金の公的制度による保障には、国民年金による「老齢基礎年金」、厚生年金による「老齢厚生年金」があります。それぞれ支給条件を確認しましょう。なお、老齢年金は課税対象です。

老齢基礎年金

支給要件
老齢基礎年金は、保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が10年以上である場合、65歳になったときに支給される。

年金額(2019年4月から)
満額:780,100円(20歳から60歳まで40年間保険料を納付)

【参考】第1号被保険者のみ
以下の独自給付があります。詳細は割愛しますが、第1号被保険者は確認しましょう。
①付加年金(老齢基礎年金関係)
②寡婦年金(遺族基礎年金関係)
③死亡一時金(遺族基礎年金関係)

老齢厚生年金

支給要件
老齢基礎年金の支給要件を満たしていること。
厚生年金保険の被保険者期間が1ヶ月以上あること。

年金額
計算式が複雑なため割愛します。「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などで自分がどの程度受け取れるのか確認しておきましょう。

夫は平均的年収で40年間厚生年金に加入、妻は全期間を専業主婦と想定した場合、夫婦で約22万程度と言われています。

まとめ

公的制度による保障には、主に国民年金、厚生年金、健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度などがあります。
まずは、あなたがどの公的制度の対象となるか確認しましょう。

次に死亡した時の保障、 働けなくなることによる収入保障、 病気やケガによる医療費、老後資金や教育資金の積み立てといった保険の加入目的ごとに、あなたが対象となる公的制度でどれくらい保障されるか確認しましょう。

具体的な金額が算出できなかったり、内容が難しいと思ったあなたも大丈夫。ここまで読んだのであれば、保険の相談窓口などで状況を説明して試算してみましょう

次の記事は”あなたに必要な保険はこれだ”であなたにどの生命保険が必要なのか確認していきます。

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